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Harmonia

オリジナル小説

恋に落ちた、その行方 27 


「……っていう状況が、ここ一ヶ月っすよ。どう思います?」
「どうもこうも、いやお前ら、えっろいプレイしてんなー! そういう趣味なのか? ひょっとして景はドSかもな」
「ちょっ、プレイって!」
 思わず叫んだ俺に「しー」と口元を押さえながら、それでも「今度奏ともやってみようかな。散々ベロチューして触らないとか、どんな焦らしプレイだよ。考えただけでたまんねえな」とスケベな顔で鼻を膨らませている店長を睨み付ける。

 今夜は三ヶ月に一度開催される、前田電器店の飲み会だ。
 佐久嶋さんは当たり前のように「行かない」と言い放ったが、俺は前田店長にここ一ヶ月の悶々とした心情を打ち明けたくて、参加していた。

「そういうプレイならいいっすよ。その先があるんだから。……でも、この状態がずっと続くとしたら、正直言って拷問っすよ」
「まあ、普通の男なら耐えがたい状況ではあるよな」
「……でも佐久嶋さんから『待ってくれ』って言われた以上、こっちから手を出すことも出来ないし」
 しょんぼりと項垂れる俺に、前田店長がふいに真顔になった。

「いや、俺はそうは思わないけどな」
「……え?」
 顔を上げ、前田店長を見つめる。

「お前もよく知ってると思うけど、あいつはとことんネガティブ思考なんだよ。考えすぎて、自爆するタイプの人間だ。だからいまもきっと、お前とのことを考えすぎて、頭のなかがオーバーヒートしてる状況だろうな。要するに、完全に思考停止している」
「……」
 目を瞠る俺に、前田店長はにやりと笑った。
「お前から動かなきゃ、この先延々といまの状況が続くぞ。それが嫌なら、今夜帰ってからでもさっさと襲うんだな」
「……いや、無理っすよ。今度こそ俺、完全に嫌われる」
「はあ? お前、バカじゃねえの。一ヶ月も毎晩えっろいベロチューしておいて、嫌いも何もあるかよ」
「……」
 正論過ぎて、ぐうの音も出ない。

「……そうっすよね。……大丈夫、俺は出来る」
「まあ、お前らのことだから、そんなことじゃねえかと思ってたんだよ。……ちょうど良かった」
 そう言って、前田店長は鞄のなかから紙袋をふたつ取り出した。
「こっちの大きい方は、お前のだ。帰ってから開けろよ。選りすぐりの品が入ってるから。……で、こっちは景に」
「……選りすぐりの品って、」
「男とヤる時の、必需品だ。俺たちも愛用してるやつだから、今夜すぐにでも使えるぞ」
 耳許で囁く声に、前田店長と早瀬さんが絡み合う生々しい姿が浮かんできて、思わず俺はごくりと喉を鳴らした。
 そんな俺を見つめながら、悪い顔をして笑う店長に、「了解っす! あざす!」と俺は威勢良く敬礼をした。


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Posted on 2018/02/17 Sat. 05:51 [edit]

category: 恋に落ちた、その行方

thread: BL小説  -  janre: 小説・文学

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