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Harmonia

オリジナル小説

ミラクル 5 


「育都っ!」
「声、我慢しろよ。外に丸聞こえだからな」
 尻を突き出した格好のまま、手早くズボンを脱がされると、露わになった背後に濡れた指がぬぷりと侵入してきた。
「……あっ!」
 かすかに漏れ出した声に、羞恥で顔が真っ赤に染まったのが分かる。そんな俺の様子を愉しむように、軽やかな円を描くような動きで、ゆっくりと、しかし確実に、育都の指が入ってくる。
「……育都、……やだっ、こんなところで……」
「早く入れて欲しいって言ったのは、馨だろ」
 荒い息のまま、低く囁く声に、甘い痺れが全身を駆けめぐる。そんな身体の蠢きを察知したように、育都の指が奔放になかを弄った。
「ふっ、……うっ、」
「お望み通りに入れてやるよ」
 指が抜かれ、その空洞を埋めるように、忙しなく固いものが押しあてられる。息を詰めた俺をあやすように背中を撫でながら、それでも迷いのない腰つきで、育都が侵入してきた。
「ふっ、ああっ!」
 これまでに、幾度となく繰り返された行為だ。けれど、いつも育都によって気の遠くなるような時間を掛けて解されていたからか、性急な行為に身体が追いつかない。
「力、抜けよ。……息吐いて」
 動きを止めた育都に頬を掴まれる。見つめると、困惑したような瞳が俺を見つめていた。
 ねだるように見つめ返すと、食らいつくような勢いでくちびるが重ねられた。
「……ん、……ふっ」
 あまい息が鼻から抜ける。獰猛な育都のキス。舌と舌を絡ませれば、突き抜けるように脳天が痺れてくる。
 長いキスを交わしながら、ゆっくりと育都が腰を進めてくる。零れた唾液が床を濡らし、あわや窒息しそうになったところで、ようやくくちびるが解放された。
「全部、入った」
「……うん」
「すっげー、気持ちいい」
 深く感じ入るような声で、育都がつぶやく。
「うん」
 背中に繰り返し頬ずりされる。そのチクチクとした痛みさえ、甘美な愛撫に感じてしまう。
「動いていい?」
 俺の返事を待たずに、育都は腰を打ち付け始めた。
「あっ、……っ!」
 玄関のドアにもたれたまま、必死で声を我慢するが、吐息だけは止めどなく漏れ続ける。
 打ち付けられる動きに合わせて軋むドアの音と、育都と俺の荒い息づかいが、静まりかえった部屋に響き渡り、その淫靡な音にますます興奮を煽られた。 

 育都の動きが、激しさを増してくる。
「……育都、……育都、」
 声を押し殺して、必死で、育都の名前を呼ぶ。
「……育都、……いいっ、……すごっ、……もっと、」
「……ああ、」
 育都の右手が、俺のペニスを握りしめ、上下に動かし始める。射精感が駆け上がってきて、俺は歯を食いしばり、パンパンと打ち付ける音に合わせ、狂ったように腰を振り続けた。
「あっ……、ああっ、育都、いくとっ!」
「いきそう?」
「やあっ、……もっ、……いくっ!」
 快感が弾けて、爆発する。目の前に火花が飛び散り、真っ白な世界に放り出される。
「……っ!」
 最後、叫んだ声は、育都の手で塞がれ、くぐもったただの雑音に変わってしまった。


 おたがいの息が収まるまで、繋がったまま、ドアにもたれかかった俺の背中にぴったりと育都が重なっていた。
 汗ばんだ肌と、熱気と、育都の鼓動が直に伝わってきて、それだけで泣きたくなるほどのしあわせに包まれる。
 ひとつに溶け合った身体は、どうしてこんなに気持ちがいいんだろう。普段離れていることが嘘みたいに、おたがいの輪郭がなくなって、心まで重なり合っている。
「馨、」
 肩に埋められた育都のくちびるが、いとおしむようにキスを繰り返す。
「馨、可愛い。大好きだよ」
「……俺も、……育都が大好きだ」
 素直に「大好き」と言い合える。そのことが嬉しくて堪らなくて、顔を捩って育都の髪に何度もキスを落とした。
「シャワーして、その後いっぱいしような」
 吐息だけのあまい囁きに、収まった身体の熱がふたたび急上昇した。
 

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Posted on 2018/09/13 Thu. 19:04 [edit]

category: MAGIC

thread: BL小説  -  janre: 小説・文学

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