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Harmonia

オリジナル小説

葵 21 


それから一週間後、僕は二十歳の誕生日を迎えた。前日に、一緒にお酒を飲もう、と先生からメールが届いた。平日だから会えるのは夜だ。それなら僕が夕食を作って持って行くと言ったら、先生から楽しみにしています、と返事が返ってきた。

十九時過ぎに先生から帰宅したという電話があったので、僕は予め用意しておいた餃子(先生の大好物だ)を焼きながら、炊きたてのごはんをランチジャーに、春雨のスープをフードコンテナに入れて、餃子は大きなお皿ごとラップをかけて、車で先生の家まで急いだ。


インターホンを鳴らすと、先生はすぐにドアを開けてくれた。

「いらっしゃい」

僕を見て、笑ってる。片手には大きな皿、ランチジャーとスープの入った大きなエコバッグを提げている僕の姿が可笑しいらしい。

「せっかく急いできたのに」

僕がふくれっ面で言うと、先生はおいしそうな匂い、とお皿を持ってくれた。

「腹ぺこなんだ。早速食べよう」

箸やお皿を並べて、先生が用意してくれたお酒もテーブルに並べる。見た目も鮮やかな、桃色のお酒だった。

「諒くんは甘いのが好きかなと思って、甘口のスパークリングワインを選んでみた」

先生がグラスに注いでくれる。バラの花のようないい香りがした。一口飲むと、甘くて口当たりがすごくいい。一気に飲み干す。

「飲みやすいけどアルコールが入ってるから、ゆっくりね」

と、二杯目を注いだ。それでもおいしいから、ついつい飲んでしまう。

甘いワインと餃子なんて、変な組み合わせだけど、それでも僕たちは楽しくお喋りしながらたくさん飲んで、食べた。

「ケーキも買ってきたから、後で食べよう」

食事が終わった後、ワインの残りを飲みながら、先生が言った。もうかなりお腹がいっぱいだったけど、ケーキは別腹だ。

三十分くらいソファに座って話をした後で、ケーキを食べることにした。先生がいつものように紅茶をいれてくれる。ケーキは前に先生が好きだと言っていた店のもので、十五センチのショートケーキの全面が色とりどりのフルーツで飾られている。そして、Joyeux anniversaire! Ryo と書かれたクッキープレートがのっていた。

「わざわざ注文したの?」

「うん。フルーツてんこ盛りの方がおいしそうだから」

「ありがとう。嬉しい!」

そう言って頬にキスしたら、先生も嬉しそうににっこりと微笑んだ。

ソファに並んで座って、甘い甘いケーキを二人で突きながら食べる。僕はワインでかなり酔っ払っていて、まるでふわふわと雲のように浮かんでいるような、幸せで心地良い気分だった。隣に座る先生も、ほんのりと頬が赤く染まっていて、すごく可愛い。

「先生、おいしー。好き-」

先生の肩にすり寄って、甘えるように頭を擦りつけた。先生は僕の髪を撫でながら、おでこや耳に優しいキスをしてくれる。気持よくて、僕の瞼は自然と閉じてくる。

「眠くなった?」

先生はそう言って、僕をソファにゆっくりと倒した。

「…うん。眠いよ」

夢見心地で呟く僕の唇に、先生の唇が重なる。何度も何度も角度を変えて、啄むようなキスを繰り返す。その感触もまた心地良くて、僕は目を閉じたままうっとりとしていた。


目が覚めて、掛け時計を見るともう日付が変わっていた。僕の上にはブランケットが掛けられている。身体を起こして先生の寝室に向かう。

「起きた?頭痛くない?」

先生はデスクでパソコンに向かっていた。仕事をしているのだろう。椅子から立ち上がってキッチンに向かい、氷が入った冷たい水を持ってきてくれた。

「大丈夫。ごめん、寝てしまって」

渇いた喉に冷たい水が心地良い。

「諒くんはお酒飲むと眠くなるんだな」

「そうみたいだね」

「外で飲んだらダメだよ。悪い男に襲われる」

僕の手からグラスを取ると、デスクに置いてから、ぎゅっと抱きしめられた。

「…僕もさっきは襲いたくなったよ」

キスされる。さっきとは違う、まるで食べられてしまうような、獰猛なキスだった。



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先生、ただのスケベ親父っぽい。
今日も読んでいただきありがとうございました。



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Posted on 2013/10/31 Thu. 23:10 [edit]

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