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Harmonia

オリジナル小説

春風 63(R18) 


「あっあっ、あっ……」
 小刻みに甘い声を漏らしながら、多季が仰け反って身体を震わせている。蕩けそうな瞳で、半開きになったくちびるの端は濡れ、もっともっとと求めるように、唾液が零れていた。
 菫の太腿の上に跨がり、水飛沫とともに跳ね上がるさまは、まるで子どもの頃に絵本で見た人魚のようだと、菫は思った。
 顔が近づいてきて、くちびるを塞ぐようにキスされた。菫と同じリズムで激しく腰を揺らしながら、舌と舌を絡ませ合い、吸い上げる。時折溢れるように漏れ出す吐息や鼻に掛かった声が艶めかしくて、その声をもっと聞きたくて、菫はより激しく多季を突き上げた。
 
 限界が近いのか、多季が我慢できないといった様子で、片手を自分のペニスに伸ばし、擦り始めた。こんなにも綺麗なひとが、自分だけにあられもない姿を見せて、甘い声で啼いている。そのことに、菫の体中の細胞がぞくぞく震えるほど興奮してしまう。
「菫……」
 いく、と呻いた瞬間、菫を容赦なくぎゅっと締め上げてくる。搾り取られるような凶暴な蠢きに、菫も「うっ……」と呻きながら多季のなかで弾けた。何度かゆっくりと突き上げるように注ぎ込んでいる間も、菫の首に両腕を回した多季が、その動きに合わせて蠕動しながら受け止めてくれる。その後くったりとおたがいの身体を預け合って、荒い息を整えた。
「……大丈夫? のぼせてない?」
「多分。……多季さんは、平気?」
「……ちょっとクラクラするかも」
 慌てて多季の身体を支えると、「大丈夫」と言って、菫の頬に自分の頬を擦り寄せて、照れくさそうに笑う。しばらくの間見つめ合った後、どちらからともなくキスを交わし、抱きしめ合う。
「もっと菫でいっぱいにして」
 耳許でそんなことを囁かれて、平静を取り戻しかけていた菫の心臓がふたたびドクンと大きな音を立てて鳴り始めた。

 ベッドに移動して、もう一度抱き合った。二度目はゆっくりと、おたがいの身体のすみずみまで味わうように、愛し合う。
 好きだ、愛してる。抱き合っている間、絶え間なくキスを交わし、そんな言葉を躊躇わずに伝え合いながら、ひとつに繋がる。そんな甘く蕩けてしまいそうな時間が流れていく。 
 何も取り繕うことなく、すべてをさらけ出した後の、溢れるほどのいとおしさに満たされた気持ちで、抱きしめ合ったまま、ふたり心地良い眠りへと落ちていった。


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Posted on 2017/06/07 Wed. 00:00 [edit]

category: 春風

thread: BL小説  -  janre: 小説・文学

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